日本臨床スポーツ医学会誌
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若年期のスポーツクライミング 選手における手指障害 ―中指,環指PIP 関節屈曲角度に着目して―
樋口 拓哉石垣 直輝松田 雅弘六角 智之
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2023 年 31 巻 1 号 p. 6-12

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抄録

スポーツクライミング時のホールドの把持方法によって,手指の障害が誘発される可能性があると仮説を立て,中指,環指PIP 関節の屈曲角度と手指障害との関係性について調査した.2016 年4 月に千葉県で行われた千葉県ボルダリングユース選手権の出場者52 名104 手を対象とした.手指障害を有した例は52 名中18 名(34.6%)であり,手指障害個所は延べ38 か所であった.手指障害の実態は,中指・環指で76.3%を占め,PIP 関節で42.1%であった.特に中指,環指PIP 関節の屈曲角度が大きくなることが手指障害の原因になっている可能性があり,競技力が上がると難易度が高い課題に打ち込む回数が多くなるため,障害へつながることが考えられる.初心者より特に指導を受けずにPIP 関節を優位に屈曲することでPIP 関節障害の原因となると推測した.

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© 2023 一般社団法人日本臨床スポーツ医学会
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