2024 年 32 巻 3 号 p. 408-415
国内ブレイキン選手の外傷・障害調査報告は少なく,ダンススタイル別の特徴も明らかでない.そこでブレイキン選手の外傷・障害の実態とダンススタイル別による特徴を明らかにするため,アンケート調査を実施した.対象は近畿圏内のブレイキン選手217名のうち,回答が得られた74名とした.調査内容は①ダンススタイル②ダンスでの外傷・障害受傷歴(以下,受傷歴)③外傷・障害部位④受傷場面とした.ダンススタイルはフットワーク主体の選手をスタイラー,パワームーブ主体の選手をパワームーバー と定義した.74名中スタイラー群(S群)が38名,パワームーバー群(P群)が36名であった.受傷歴は28名66件であり,S群10名(35.7%),P群18名(64.3%)とP群で有意に多かった(p=0.04).上肢の受傷歴はS群7名,P群16名とP群で有意に多かった(p=0.02).部位別では頸部~肩甲帯でP群が有意に多く(p=0.02),手関節でもP群が有意に多かった(p=0.04).受傷場面はパワームーブが最も多く66件中34件であった.本研究により,P群はS群に比べ受傷歴が有意に多く,中でも頸部~肩甲帯,手関節の外傷・障害が有意に多いことが明らかになった.パワームーブは上肢での身体支持という負荷が繰り返される動作であるため,支持機会が多い頸部~肩甲帯,手関節でP群の外傷・障害が多く発生したと考えられた.