2009 年 38 巻 6 号 p. 398-401
症例は70歳男性.大動脈弁閉鎖不全症(AR)にて外来経過観察を受けていたが,その増悪のため手術適応と判断された.心エコー図にて右冠尖の逸脱による高度ARが認められ,CTにて上行基部大動脈の約50 mmまでの拡大が見られた.さらに冠動脈造影検査(CAG)で右冠動脈(RCA)#2の90%の狭窄が認められた.手術はaortic root remodeling および subvalvular circular annuloplasty と逸脱したRCCに対する leaflet suspension を用いた大動脈弁形成術を施行した.RCA#2の狭窄に対しては冠動脈バイパス術を併用した.術後経過は良好で無輸血管理で第10病日に独歩退院となった.