日本心臓血管外科学会雑誌
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症例報告
心筋梗塞の亜急性期に生じた偽性仮性心室瘤に対して二重パッチによる閉鎖を施行した1例
新城 宏治佐戸川 弘之高瀬 信弥瀬戸 夕輝五十嵐 崇籠島 彰人藤宮 剛横山 斉
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2015 年 44 巻 2 号 p. 70-73

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抄録
症例は65歳男性.亜急性心筋梗塞の診断で保存的加療中,房室ブロックによる意識消失発作を来たし,右冠動脈に緊急経皮的冠動脈インターベンションが施行された.その3週間後に心エコーおよびCT検査で仮性心室瘤を認め,手術となった.術中所見では心膜との強固な癒着を認め,中隔から下壁基部に壊死した心筋壁と偽性仮性心室瘤を認めた.手術は仮性瘤を切開し,同部を二重にパッチ閉鎖した.術後経過は良好であった.偽性仮性心室瘤は稀な症例であり,これに対して二重パッチによる閉鎖が有効であった症例を経験したので報告する.
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