日本心臓血管外科学会雑誌
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症例報告
Potts' shunt 閉鎖後の吻合部仮性動脈瘤再発に対して debranching TEVAR を施行した1例
流郷 昌裕今川 弘泉谷 裕則八杉 巧阪下 裕司
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2015 年 44 巻 2 号 p. 82-86

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抄録
患者は34歳女性.肺動脈閉鎖症/心室中隔欠損症(PA/VSD)に対する複数回の姑息手術,根治手術を経たのち,28歳時に,閉塞したPotts' shunt(体肺動脈シャント)の大動脈吻合部の仮性動脈瘤に対して,人工心肺下にパッチ閉鎖を施行した.その後外来にて経過観察中に,頻回の喀血による貧血が生じ,入院となった.精査にて,上記吻合部仮性動脈瘤の再発を認めた.患者はこれまでに正中開胸,左側方開胸とも2回以上施行しており,いずれのアプローチであっても癒着剥離に難渋することが予想されたため,左鎖骨下動脈のdebranchingを併用したTEVARを施行した.術後,喀血は消失し,術後8日目に自宅退院した.
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