2017 年 46 巻 1 号 p. 39-44
症例は76歳,男性.Type B急性大動脈解離(偽腔閉塞型)に対して保存的加療が導入された.発症後18日目に背部痛が出現し,CTにて偽腔の再開通と逆行性type A大動脈解離が認められたため,緊急手術を行った.オープンステントグラフト(JOSG)をfrozen elephant trunkとして用いた上行弓部全置換術を施行した.術後,下肢圧が体血圧の70%程度に低下しており,精査したところJOSGの中枢側の非ステント部の高度狭窄,およびそれに連続するステント部中枢側の狭窄と診断された.術2日目に狭窄部解除目的に胸部ステントグラフト内挿術(TEVAR)を施行した.術後速やかに下肢圧の上昇が認められ翌日に人工呼吸器を離脱した.脳神経学的合併症を起こすことなく順調に経過している.JOSGを使用する場合には留置部位の解剖学的特徴を詳細に検討し非ステント部長を短くするなど合併症予防のための配慮が必要である.JOSG狭窄に対してTEVARは有効な治療手段であると考える.