2017 年 46 巻 2 号 p. 76-78
82歳男性.僧帽弁閉鎖不全症(MR)と,三尖弁閉鎖不全症(TR)に対し僧帽弁形成術(MP)と三尖弁輪形成術(TAP)を施行した.手術3週間後より溶血性貧血(HA)が出現した.経食道心臓超音波検査(TEE)では左室(LV)と右房(RA)間の膜様部に欠損孔(LVRAC)を認め通過するジェットは三尖弁輪の人工リングへ向かっていた.保存的治療ではHAは制御困難で再手術を施行した.欠損孔は三尖弁前尖と中隔尖の右房側の前方の膜様部に存在した.欠損孔を閉鎖し自己心膜ロールを用いて再TAPを行った.TAPの合併症として稀なLVRACとそれに伴うHAを経験したので修復手技を含め報告する.