日本心臓血管外科学会雑誌
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[大血管]
特発性大動脈破裂の胸部ステントグラフト内挿術の治療経験3例の検討
藤﨑 正之末松 義弘井上 堯文西 智史吉本 明浩森住 誠森下 清文
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2017 年 46 巻 3 号 p. 143-147

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抄録

特発性大動脈破裂(Spontaneous Rupture of the Thoracic Aorta)は明らかな外傷・大動脈瘤・大動脈解離を伴わない大動脈の破裂であり,稀な疾患である.本疾患に対しTEVAR治療にて救命しえた症例3例を経験した.本疾患の治療は,破裂部位の同定が困難であり,術前CT検査画像で詳細に検討しプランニングすることが重要である.遠位弓部・下行大動脈の破裂では,外科治療と同様にTEVAR治療の適応は十分可能であると思われた.特に術前血行動態が不安定な場合やリスクの高い合併症のある場合は,TEVAR治療の選択を考慮すべきと思われる.

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