2017 年 46 巻 5 号 p. 187-190
日本心臓血管外科手術データベース(JCVSD)は2000年にアメリカ胸部外科医会(STS)の援助を受けて,創立された.STSデータベースのソフトウエアを日本語に訳し,同じ定義の項目を使って,大学病院医療情報ネットワーク(UMIN)というWebを使用して成人のデータの入力を2001年から行った.2008年には先天性心疾患手術の入力が始まり,また,成人のデータベースのリスクモデルから術前予想死亡率が計算され始め,それはJapanSCOREと名付けられた.2011年には専門医制度とJCVSDが協働して,専門医認定のための手術の審査を行うことになり,2012年には本邦におけるすべての心臓外科の手術がJCVSDに登録されるようになった.JCVSDのデータを使用したこの論文シリーズにより本邦の心臓血管外科手術の質の改善と患者のために医療安全がさらに向上することを期待している.