[目的]本邦における,弁位別,年代別の手術死亡率,治療法の選択,特に機械弁,生体弁の使用比率を明確にするとともに,術前合併症の影響に関しても検討を加える.[方法]日本心臓血管外科手術データベース(JCVSD)より,2013年,2014年の弁膜症のデータを使用した.大動脈弁位(A群),僧帽弁位(M群),三尖弁位(T群)にわけ,A群では機械弁,生体弁の2群にM群,T群では機械弁,生体弁,弁形成の3群に分け,年代別の検索を行った.二弁置換(AVR+MVR)例は除外した.また,慢性透析,肝機能障害,心房粗細動例においても同様の解析を行った.[結果]A群では機械弁の比率は23.1%であった.M群では66.6%に弁形成が行われ弁置換群では機械弁の比率は40.5%であった.T群では弁置換は全体の3.0%にすぎず,そのうち機械弁は11.4%であった.慢性透析患者では非透析例に比べ,概して機械弁の比率が高く,AVRで35.0%,MVR 51.4%であった.手術死亡率はA群では全体で4.3%,慢性透析 11.7%,肝機能障害 15.8%,心房粗細動 5.6%,M群では全体で4.0%,慢性透析 14.4%,肝障害 11.2%,心房粗細動 4.1%であった.[結語]本邦における,弁位別,年代別の機械弁,生体弁の使用比率が明確となった.また,慢性透析患者では機械弁の比率が非透析患者に比べ高かった.