2023 年 52 巻 6 号 p. 449-451
フォンタン手術後の血栓予防方法についてはいまだ議論の余地がある段階である.またその多くは体循環の血栓塞栓症に関する予防であり,心外導管に対する血栓予防法に関してはまとまった見解がない.今回心外導管型フォンタン手術後,肝障害の進行を認めた心外導管内血栓性狭窄症例を経験したので報告する.症例は11歳の女児で3歳時に心外導管型フォンタン手術を施行した.術後は抗血栓療法としてアスピリン内服が行われていた.11歳時に行った心臓カテーテル検査で導管内を占拠する血栓を認め,血液検査でPT活性低下,CT検査で多量の腹水を認めた.心外導管置換術を施行し,腹水消失と血小板回復を認めた.導管内血栓性狭窄はフォンタン術後の稀な合併症ではあるが,導管内血栓塞栓リスクをつねに念頭に入れておく必要がある.