2024 年 53 巻 2 号 p. 74-77
症例は50歳男性.突然の胸痛,意識消失を主訴に当院へ搬送となった.心タンポナーデであったため,緊急で経皮的心囊ドレナージ,気管内挿管を施行し血行動態は安定した.CT検査および冠動脈造影検査で大動脈基部の解離が疑われたが,上行大動脈に明らかな解離所見を認めなかったため冠動脈CT検査を施行したところ,左冠動脈主幹部から連続して頭側に突出する16×16mmの冠動脈瘤を認め,冠動脈肺動脈瘻を合併した冠動脈瘤破裂と診断.冠動脈瘤切除,冠動脈肺動脈瘻閉鎖,冠動脈バイパス術を施行し独歩退院となった.冠動脈瘤破裂に関する外科的加療の報告は稀であり,文献的考察を踏まえて報告する.