2024 年 53 巻 4 号 p. 216-219
症例は47歳女性.CT検査で偶然,胸部大動脈瘤を指摘された.精査の結果,最大短径50 mmの上行大動脈瘤と大動脈弓に37 mmの動脈瘤を認め,さらに,Valsalva洞は47 mmに拡大し,重症大動脈弁閉鎖不全症を認めた.手術は胸骨正中切開で,自己弁温存大動脈基部置換術および大動脈弓部全置換術を施行した.摘出した大動脈壁の病理所見から巨細胞性動脈炎と診断された.術後の経過は良好で,術後23日で退院とした.本邦において,巨細胞性動脈炎症例に対する自己弁温存手術の報告は少なく,今回,希少な症例を経験したので報告する.