日本心臓血管外科学会雑誌
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症例報告[末梢血管]
肺炎による菌血症に続発し感染性と考えられた後脛骨動脈瘤の1例
中村 優飛髙木 寿人
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2026 年 55 巻 2 号 p. 89-93

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抄録

膝窩動脈より末梢の感染性動脈瘤はきわめて稀で,感染性後脛骨動脈瘤の報告はさらに限られる.基礎疾患は感染性心内膜炎や体内挿入人工物感染など重篤であることが多い.われわれは,肺炎による菌血症に続発し,感染性と考えられた後脛骨動脈瘤の1例を経験したので報告するとともに英文報告例の集計を行った.自験例は77歳男性で,誤嚥性肺炎と深部静脈血栓に対して治療中の第26病日に,突然右下腿に疼痛を伴った硬結が出現し39×49 mmの後脛骨動脈瘤を認めたため準緊急的に瘤切除を行った.術後合併症はなかったが,COVID-19感染症に罹患して肺炎が増悪し,第73病日に呼吸不全で死亡した.感染性後脛骨動脈瘤は稀であり,治療法について一定の見解はない.われわれの集計によると本疾患は瘤関連死亡の報告こそないが,感染性心内膜炎や菌血症など重篤な基礎疾患を持つことが多く,本疾患を認めた際の予後が悪いことが示唆された.

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