日本心臓血管外科学会雑誌
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症例報告[大血管]
大動脈基部置換術後22年目に冠動脈吻合部仮性瘤の右心房穿破を来した1例
小坂 淳生神田 桂輔本吉 直孝
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2026 年 55 巻 2 号 p. 83-88

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抄録

症例は50歳代,男性.30歳代時に大動脈弁輪拡張症にて,機械弁を用いた大動脈基部置換術を施行された.術後22年目に心窩部不快感を訴え来院し,右心不全と診断された.精査にて右冠動脈(Right Coronary Artery; RCA)吻合部の仮性瘤を認めた.仮性瘤が右心房に穿破し右心不全を呈したと診断し,RCA吻合部のパッチ閉鎖,Coronary Artery Bypass Grafting; CABG(Aorta-Saphenous Vein Graft; SVG-RCA#1),右心房瘻孔閉鎖を施行した.大動脈基部置換術における冠動脈吻合において,Inclusion法による吻合部仮性瘤が報告されてきた.近年Carrel patch法などを用いることで仮性瘤発生率は低下している.また仮性瘤が右心房に穿破した症例はさらに稀である.われわれはCarrel patch法を用いたが仮性瘤を生じ,右心房への穿破と右心不全を呈した症例を経験した.文献的考察を加えて報告する.

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