日本心臓血管外科学会雑誌
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主題III-13 連合弁膜症(大動脈弁,僧帽弁)に対する外科治療の成績(112例の経験)
田中 信行森 雅樹渡辺 祝安横山 秀雄大野 猛三北野 一郎金子 正光小松 作蔵
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1980 年 10 巻 3 号 p. 162-164

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抄録
AVR+OMC 59例,AVR+MVR 53例の計112例の連合弁膜症に対する外科治療の経験から以下の結果をえた.
(1) AVR+OMCの早期死亡は12例(20.3%)で,LOS 10例(16.9%),手術手技死2例(3.4%)であった.一方,AVR+MVRの早期死亡は29例(54.7%)と前者の2倍で,LOS 17例(32.1%),手術手技死12例(22.6%)が主な死因となっていた.
(2) AVR+OMC 45例の遠隔期追跡では,6例の人工弁由来の死亡(13.3%)を示した.一方,AVR+MVR 23例では人工弁由来死3例(13.0%),その他心不全2,他の死因1例となり,遠隔期の死亡は人工弁の合併症による死亡率が患者の運命を決定した.
(3) 連合弁手術群の生存例の改善度をみると術前後のCTRの変動は2~3%と低率であったが,EKG左心室電位(RV5.6+SV1.2)の低下率は16.2~24.0%と著明な改善を示した.
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