日本心臓血管外科学会雑誌
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Metal hot tip contact probeを用いたargon laser angioplasty
術後1年の臨床経過および合併症の検討
長田 一仁河内 賢二石丸 新古川 欽一
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1991 年 20 巻 7 号 p. 1264-1269

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抄録
最近,心臓血管領域においてレーザーの臨床応用が注目されている.当教室において,1987年10月より1988年12月までの1年2か月の間に,argon laserを用いたmetal hot tip probeによるレーザー血管形成術を行った下肢閉塞性動脈硬化症24例28肢について検討した.初期成功は24肢(85.7%)で,このうち術後1年以上経過をfollow upした23肢について,その累積開存率は82.6% (19/23),部位別にみると,腸骨動脈領域では100%,大腿-膝窩動脈領域では73.3%であった.また,レーザー焼灼後のバルーン拡張術に起因するものも含め,成績を左右すると考えられる術中合併症は28肢中7肢(25%)に認められた.さらに,24例中12例でレーザー血管形成術と他の血行再建術を併用し良好な成績を得た.いまだ問題も多いが,適応症例を選択することで,本法は有用な治療となりうると考えた.
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