日本心臓血管外科学会雑誌
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僧帽弁置換後左室破裂の1剖検例
剖検所見よりみた破裂部位について
大滝 正己川島 雅之山口 明満北村 信夫
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1992 年 21 巻 1 号 p. 91-93

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抄録

症例は60歳女性. 僧帽弁膜症にて僧帽弁人工弁置換術を施行したところ, Treasure 分類I型の左室破裂を併発した. 心内からの修復にて破裂部位の修復は可能であったがIABP挿入に伴い逆行性動脈解離が総腸骨動脈から左鎖骨下動脈まで生じ, 術後7日目多臓器不全にて死亡した. 剖検所見では, 僧帽弁前尖直下の心室中隔膜様部より房室間溝さらに左室後壁にいたる広範な血腫の存在を認めた. 以上よりI型左室破裂を伴う血腫の伸展形式につき文献的考察を加え自験例を報告する.

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