日本心臓血管外科学会雑誌
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総腸骨動静脈瘻を伴った腹部大動脈瘤の2例
田畑 隆文三木 成仁楠原 健嗣上田 裕一大北 裕酒井 哲郎
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1993 年 22 巻 1 号 p. 45-48

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抄録

総腸骨動静脈瘻を伴った腹部大動脈瘤を2例経験した. いずれも拍動性の腹部腫瘤と進行性の心不全を認めた. 1例は腹部の連続性雑音とDSAにて術前診断が可能であり, 他の1例は緊急手術例であったが術中の動脈瘤の触診で thrill を認め, 診断しえた. 1例は瘻孔閉鎖, 他の1例は左総腸骨静脈を縫合閉鎖したのち, ともにY型人工血管置換術を施行した. 腹部大動脈瘤はまれに動静脈瘻を伴うことがあり, 多彩な症状のため診断に苦慮するが, 常に動静脈瘻の合併を念頭に置き, 対処する必要がある.

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