日本心臓血管外科学会雑誌
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僧帽弁狭窄症に対する閉鎖式交連切開術の長期遠隔成績の検討
大橋 博和堤 泰史村上 晃上山 圭史山下 昭雄大中 正光田中 孝
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1994 年 23 巻 6 号 p. 415-418

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抄録
僧帽弁狭窄症に対して閉鎖式交連切開術を施行した130症例の長期遠隔成績を検討した. 手術死亡はなく, 遠隔死亡は31例 (突然死8, 心不全7, 血栓塞栓症5, 再手術死4, その他) で, 術後10年の累積生存率は93.6%, 20年では72.2%であった. 再手術は平均12年6か月後に42例に施行し, 非再手術生存率は10年で88.7%で, 20年で42.8%であった. 血栓塞栓症は1.25%/患者・年の発生率で, 遠隔死中の5例 (16%) を占め, 原因不明の突然死8例 (26%) と合わせて, 遠隔成績を左右する大きな要因となっていた. 非心事故生存率は10年で65.7%, 20年で32.6%であった. これらの結果から, 術後10年がCMCの臨床的限界と考えられ, 経皮経静脈的僧帽弁交連裂開術の長期予後の推測, 経過親察に有用な示唆を与えると考えられた.
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