1995 年 24 巻 2 号 p. 80-84
糖尿病 (DM) を合併した閉塞性動脈硬化症 (ASO) では, DM非合併例に比べ発症年齢が約5歳若く, 臨床的に重症の傾向を示した. また, 血管造影, 趾尖容積脈波にて末梢動脈の病変が強く, 下肢・足趾切断に至る例が少なくなかった. GHb高値の症例に重症例が多く, DMコントロールの不良は動脈硬化を促進すると考えられた. 一方, DMの治療法, 羅病期間と肢趾切断の割合の間には一定の傾向は認められなかった. これらの結果より, DMをコントロールし, 合併症を軽減させた上で可及的に血行再建術を行い, 少しでも多くの血流を末梢に送るようにすることが治療上重要であると考えた.