日本心臓血管外科学会雑誌
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MRSA敗血症をきたしたペースメーカー感染の1治験例
長谷川 豊石川 進大滝 章男佐藤 泰史坂田 一宏高橋 徹狩野 基小谷野 哲也鈴木 政夫森下 靖雄
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1995 年 24 巻 5 号 p. 347-350

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抄録
患者は78歳, 男性で, ペースメーカーの入れ換え術後, 遺残電極の感染による皮下膿瘍から敗血症となった. 体外循環を用いて心停止下に右房を切開し, 疣贅を伴う感染リード3本を摘出した. 細菌培養ではメチシリン-セフェム耐性黄色ブドウ球菌 (MRSA) が検出された. 術後はバンコマイシンなどの抗生物質投与を行い治癒せしめた. ペースメーカー感染, とくにMRSAによる敗血症症例では, 心内膜病変の確認・感染巣の完全摘除のため体外循環を用いて直視下にリードを抜去することが望ましい.
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