日本心臓血管外科学会雑誌
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AVR後5年目の大動脈基部拡大に対する人工弁温存 Cabrol 型手術の経験
佐々木 昭彦数井 暉久道井 洋吏杉木 健司大野 猛三
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1996 年 25 巻 2 号 p. 139-142

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抄録

症例は61歳, 男性. 1987年12月9日に大動脈弁閉鎖不全 (AR) の診断で31mmSJM弁にて大動脈弁置換術 (AVR) 施行した. その時すでに上行大動脈起始部は4cmと拡大していたが放置した. 術後5年目脳梗塞発症時に最大径7.5cmの大動脈基部拡大を指摘された. 人工弁機能は正常であることと左右冠動脈が均衡型であるため1992年7月16日人工弁を温存した Cabrol 型手術を施行した. 術後の造影でも両側の冠動脈口は良好に開存し術後2年5か月の現在元気に外来通院中である. ARに上行大動脈が4cmを越えるとAVRのみではなく大動脈基部置換術も必要と考える.

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