日本心臓血管外科学会雑誌
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腹部大動脈瘤における動脈壁組織Lp(a)の検討
荒川 博徳廣瀬 一松本 興治柴田 雅也不破 誠行清島 満矢野 容子野間 昭夫
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キーワード: 脂質, 腹部大動脈瘤, 動脈壁
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1996 年 25 巻 6 号 p. 359-363

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抄録

リポ蛋白 (a) [Lp(a)] は動脈硬化性疾患の独立した危険因子であるとされている. 腹部大動脈瘤(AAA) においても同様の傾向があると考え, 血清濃度を測定し, 健常者と比較した. 健常者では14.6±13.6mg/dlであったのに対し, AAAでは53.2±60.8mg/dlと有意 (p<0.001) に高値であった. また, 動脈瘤壁のLp (a) 含有量は49.8±39.2ng/mgであった. さらにLp (a) の血清濃度と壁瘤内含有量とは有意 (r2=0.79, p<0.01) の正相関を示した. また, 免疫組織染色においてLp(a) は内膜中間部の細胞外基質に存在し, 中膜および外膜には存在しなかった.

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