抄録
大血管転位症に対する心房内血流転換術後に経静脈的なペースメーカ治療を必要とした4症例に対してDDD様式のペースメーカ植え込み術を経験したので, その手技的問題点を中心に検討した. 4例の内訳は Mustard 術後完全房室ブロック2例, 洞性徐脈+I度房室ブロック1例, Senning 術後完全房室ブロック+洞機能不全症候群1例であった. リード挿入経路は, 右鎖骨下静脈3例, 左鎖骨下静脈1例であったが, 左右による手技上の差はなかった. 使用したリードは, 心房では全例J型 screw-in リードで, 心室では全例直の screw-in リードであった. 1例には心房, 心室共に単極を用いたが, 他は双極であった. 合併症は心房リード逸脱1例, 心房双極リードによる左横隔神経刺激1例であった. 本術式後のDDD式ペースメーカー植え込み術のポイントは, 心房リードを解剖学的左心耳に誘導することと, 心室が解剖学的左室になるため心室には screw-in 式を用いることである.