1997 年 26 巻 1 号 p. 62-64
65歳の女性が心不全症状にて受診. 心エコー検査にて左房内腫瘍を指摘され, 摘出術を行った. 腫瘍は7×5×4cm, 70gの巨大なもので, 組織学的には粘液腫であった. 手術は両心房切開法にて行った. この方法は右側左房切開法や経右房経心房中隔切開法に比べて種々の利点を持つが, 今回のように腫瘍サイズが巨大な場合には, 左房からの腫瘍付着部の指示が確実にできない可能性がある. 腫瘍摘出後の僧帽弁の評価には術中の経食道心エコー検査が有用であった.