日本心臓血管外科学会雑誌
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末梢動脈バイパス術後の三次元CT血管造影法の有用性の検討
林 載鳳佐々木 秀川本 純
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1997 年 26 巻 4 号 p. 213-216

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抄録

1994年10月から1996年4月までに末梢動脈バイパス術を施行した17症例26グラフトについて術後DSAと術後3D-CTAを施行し比較検討を行った. グラフト開存17例ではすべての症例で(1)3D-CTAにおける人工血管あるいは大伏在静脈の描出, (2)3D-CTAにおけるバイパス末梢側 native 血管の描出, (3)CT横断像にてグラフト内腔の造影剤充満の3条件が満たされていた. グラフト閉塞9例では, 閉塞にもかかわらずグラフトの描出されたものが5例にみられ, グラフトが描出されかつ末梢側血管も描出されたものが3例にみられた. ただしCT横断像にてグラフト内腔の造影剤充満を認めた症例はなかった. (1)(2)(3)の3条件はグラフト開存診断のための必要条件であると考えられた.

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