日本心臓血管外科学会雑誌
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慢性心房細動を示す心房中隔欠損症に対する右房分割手術の3例
平井 伸司末田 泰二郎今井 克彦岡田 健志森田 悟渡橋 和政松浦 雄一郎
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1998 年 27 巻 6 号 p. 364-366

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抄録

症例はASDに合併する慢性心房細動 (Af) に対して右房分割手術を行った53, 67, 74歳の3例である. 全例心不全の既往があり右房負荷所見を認めたが, いずれも肺高血圧症の合併はなかった. 手術は全例ASDを直接縫合した. 右房分割手術は, 術後 atrial kick を保つために分割右房が収縮する様に工夫しただけでなく, 右房自由壁にも電気的刺激が伝わる様に右房を3分割する術式である. 3例とも術後洞調律に復し, atrial kick も良好に出現した. この手術手技は右房のみの手術のため簡便で, 成人ASDに合併したAf症例に対して, 有効な治療法となりうることが示唆されたので, 考察を加え報告する.

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