日本心臓血管外科学会雑誌
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脾臓摘出術を同時に行った活動期大動脈弁感染性心内膜炎の1手術例
服部 隆司渡辺 泰徳金本 真也上西 祐一朗鴨志田 俊郎高橋 敦
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1998 年 27 巻 6 号 p. 387-389

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抄録

脾膿瘍を合併した活動期大動脈弁感染性心内膜炎の1例を報告した. 症例は25歳, 男性. 抜歯後の発熱を主訴に来院. 血液培養で Streptococcus viridans を検出, 心臓超音波検査で大動脈弁に1cm大の疣贅と大動脈弁閉鎖不全を認めた. 多剤抗生剤治療にもかかわらず発熱は続いた. 左上腹部痛が出現したため腹部造影CTを行ったところ広範囲の脾梗塞像を認めた. 心不全が急激に悪化したため, 感染性心内膜炎の活動期に大動脈弁置換術と脾臓摘出術を同時に行った. 大動脈弁は2尖弁であった. 脾臓は菌塊による広範囲の塞栓, 膿瘍の所見であった. 術後経過は順調で現在2年が経過したが感染の再燃はない.

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