日本心臓血管外科学会雑誌
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心外導管手術の遠隔成績
加藤木 利行饗庭 了茂呂 勝美加島 一郎堤 浩二飯野 与志美橋詰 賢一竹内 成之川田 志明
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2000 年 29 巻 2 号 p. 79-82

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抄録
1975年以降に当施設で施行した心外導管手術の耐術者50例の遠隔成績を検討した (弁つき導管; 26例, 弁なし導管; 24例). また同様の対象疾患に対して1984年以降に施行している, 自己組織を利用して導管を用いない手術の16例も比較検討した. 心外導管手術症例の累積生存率は20年で91.0%と良好であった. 導管狭窄による再手術の回避率は, 弁つき導管群では, 5年で87.8%, 10年で50.8%, 15年で31.2%と不良であった. 一方, 弁なし導管群では, 5年で100%, 10年で95.7%, 15年で60.4%と有意に回避率が高かったが, 10年以降の低下が明らかとなった. 心外導管として, 弁なし導管の弁つき導管に対する再手術回避率は高かったが, 長期遠隔では過半数が再手術を必要とすると予想され, 今後は導管非使用手術を積極的に採用すべきと考えた.
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