日本心臓血管外科学会雑誌
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心臓手術の切開創に関する患者の意識調査
金岡 祐司種本 和雄黒木 慶一郎
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2000 年 29 巻 3 号 p. 134-138

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抄録
近年, 心臓外科領域でも小切開手術が種々行われているが, 今回われわれは手術創に対する意識調査を行った. 胸骨正中切開で心臓手術を行った患者139名と職員32名に面接方式でアンケート調査を行った. 患者139名のうち自分の傷が大きいと答えた人は10.1%であり, 61.9%の人はまったく気にならないと答えた. 傷の大きさよりケロイドが気になると答えた人が20.1%と多かった. 手術を受けるにあたって傷の大きさが気になると答えた人は職員では100%であった. 傷の大きさが気になると答えた患者は30.9%で, 67.6%の人はまったく気にならないと答えた. また, 手術の結果以外に重視するものとして, 術後の痛み, 入院期間, 社会復帰までの期間, 傷の大きさ, 傷の位置の順であった. 手術創が小さいということについて, 健康な医療従事者と患者の間に意識の差異があった.
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