日本心臓血管外科学会雑誌
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特発性血小板減少性紫斑病を合併した腹部大動脈瘤切迫破裂の1治験例
長沼 宏邦益子 健男田中 圭
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2001 年 30 巻 4 号 p. 220-222

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抄録

症例は64歳男性, 1998年8月に特発性血小板減少性紫斑病 (ITP) とCT上最大径85mmの腎動脈下腹部大動脈瘤を指摘され手術を勧められたが放置していた. 1999年8月腹痛で来院しCTで左後腹膜血腫と瘤からの造影剤の leakage を認め, 腹部大動脈瘤切迫破裂と診断された. 来院時ショック状態は認めなかったことと, 血小板数が2.5×104/mm3であったためまずは降圧療法を開始し, 2日間γ-グロブリン大量療法と血小板輸血を行ったのち, 人工血管置換術を施行した. 術当日朝の血小板数は6.1×104/mm3まで上昇し術中, 術後とも出血で難渋することなく経過した.

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