抄録
症例は84歳の女性で,心室瘤にて外来通院中であったが,呼吸困難,チアノーゼを認め救急搬送された.ただちに気管内挿管を行い利尿剤,強心剤投与下にICUにて人工呼吸管理を行った.その後心室頻拍,心室細動を頻回にくり返すようになったためIntra-Aortic Balloon Pumping(IABP)を挿入したが,血行動態の悪化を認めたため,緊急手術を行った.手術は体外循環,心停止下にDor手術を行った.術後3日目にIABP抜去,8日目に抜管,経口摂取開始し,術後10日目にICUを退室した.その後リハビリを行い術後58日目に独歩退院となった.