日本心臓血管外科学会雑誌
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心筋梗塞後に偽性仮性心室瘤と心室中隔穿孔を合併した高齢者の1例
山内 正信花田 智樹野坂 誠士
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2002 年 31 巻 1 号 p. 68-70

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抄録
心筋梗塞後に偽性仮性心室瘤と心室中隔穿孔を合併した珍しい症例を経験したので報告する.症例は85歳の男性で,3ヵ月前に下壁心筋梗塞で入院加療した.今回,後壁急性心筋梗塞で,緊急入院となり,心臓カテーテル検査の結果,冠動脈三枝病変,心室瘤,心室中隔穿孔を認めたため,緊急手術を行った.心室瘤は右冠動脈後下行枝に沿って右側にあり大きさは4×1.5cmであった.心嚢と心外膜との癒着を認めず,仮性心室瘤は否定された.心室瘤を切開し,内腔より左室との交通口2×1.2cmと右室への破裂孔0.5cmを確認し,それぞれをパッチ閉鎖および直接閉鎖を行い,さらに大伏在静脈を用いて左前下行枝にバイパスをおいた.術後病理組織診断にて偽性仮性心室瘤と診断した.
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