日本心臓血管外科学会雑誌
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左回旋枝,対角枝に対する橈骨動脈グラフトを用いた冠状動脈バイパス術の遠隔成績
大伏在静脈との比較
鈴木 龍介鎌田 聡笠原 勝彦本田 二郎小柳 俊哉加瀬川 均維田 隆夫川瀬 光彦
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2002 年 31 巻 2 号 p. 120-123

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抄録
術後1年以上経過した左回旋枝もしくは対角枝に橈骨動脈を用いたCABG134例を対象に術後中期遠隔成績を大伏在静脈と比較し検討した.平均観察期間は2年4ヵ月.RAは108本,SVGは42本をこの領域にバイパスした.吻合部位はRA群がPLに69本,OMに29本,DBに10本のバイパスを施行した.SVG群はそれぞれ26本,14本,2本であった.早期グラフト開存率はRA群では97.9%,SVG群では91.7%であった.術後1年ごとのTMTによる評価ではRA群では99.0%が,SVGでは90.9%が陰性であった.冠動脈造影での開存率はRA群では92.9%で,SVG群では50.0%であった.左回旋枝,対角枝に対するCABGのグラフトとしてRAは有用と考えられた.
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