日本心臓血管外科学会雑誌
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Transient ischemic attackを初発症状とした僧帽弁乳頭状弾性線維腫の1治験例
鈴木 健夫井本 浩鶴原 由一王 幼平前田 肇
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2002 年 31 巻 2 号 p. 163-166

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抄録
心臓原発乳頭状弾性線維腫は比較的希な疾患であり,良性腫瘍であるが,重篤な塞栓症を併発する可能性のある重要な疾患である.症例は62歳の女性で,TIAによると思われる突然の一過性左下肢麻痺を初発症状とし,近医で心臓エコー検査により心臓腫瘍と診断された.当科に手術目的で紹介され,腫瘍摘出術を施行した.腫瘍は僧帽弁前尖左房側に付着しており,腫瘍摘出により前尖の半分が欠損となると考え人工弁置換術を施行した.病理診断により乳頭状弾性線維腫と確定診断した.患者は3年半後の現在も再発を認めることなく経過良好である.
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