日本心臓血管外科学会雑誌
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急性A型大動脈解離手術後の再手術
福田 宏嗣宮本 裕治高見 宏酒井 敬大西 健二
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2002 年 31 巻 3 号 p. 217-220

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抄録
急性A型大動脈解離手術後の再手術2例を経験した.症例1は7年前inclusion techniqueで上行弓部大動脈置換施行.今回吻合部からの仮性大動脈瘤のため再手術を施行.各吻合部からのleak 3ヵ所をそれぞれ直接閉鎖した.症例2は5年前上行大動脈置換施行.弓部から胸部下行大動脈の遺残解離が拡大し再手術施行.まず左側方開胸で胸部下行大動脈を置換,術後74日目に二期手術として弓部大動脈置換を施行した.初回手術時の遮断部位に新たなentryを形成したものと考えられた.いずれの手術も周到な手術計画と超低体温循環停止法を補助手段に用い合併症もなく良好な結果が得られた.また初回手術時,再手術を予防するよう大動脈鉗子を用いないopen distal anastomosisや断端を完全離断し断端形成したのち吻合を行うべきと考えられた.
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