日本心臓血管外科学会雑誌
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左鎖骨下動脈-下行大動脈バイパス術後18年目に生じたDacron人工血管非吻合部瘤の1例
桜井 学高原 善治茂木 健司
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2003 年 32 巻 3 号 p. 172-174

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抄録
症例は34歳,男性.1歳8ヵ月に心室中隔欠損症(VSD),動脈管開存症(PDA),大動脈縮窄症(Co/Ao)の診断にて二期的にVSD閉鎖術および大動脈縮窄切除直接吻合術を施行.15歳時に大動脈の再狭窄のため左鎖骨下動脈-下行大動脈バイパス術を14mm人工血管(Cooley double velour knitted Dacron, Meadox社)にて施行.術後,定期的に胸部X線検査で経過観察されていたが,平成13年1月胸部X線検査で左第1弓に異常陰影指摘され,胸部造影CT検査を施行し,人工血管径が60mmに拡大し,ひょうたん型を呈していたため,人工血管劣化による非吻合部瘤の診断で破裂の危険のため手術適応となった.手術は右側臥位にて左大腿動脈送血,PCPS用の脱血チューブによる右心房脱血で体外循環を開始.左第4肋骨床開胸.20℃の超低体温循環停止下に瘤切開,16mm INTERVASCULARTMを用い左鎖骨下動脈下行大動脈再置換を行った.術後1年後の現在経過良好である.現在用いられている人工血管の耐久性については問題ないとされているが,古いタイプのものでは劣化することがあり長期の経過観察が必要であると思われた.
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