日本心臓血管外科学会雑誌
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大伏在静脈グラフト末梢吻合側を再利用した大腿-膝窩動脈バイパス(膝下)再手術の1例
毛利 教生濱本 正樹菅原 由至今井 克彦岡田 健志渡橋 和政末田 泰二郎
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2004 年 33 巻 6 号 p. 417-420

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抄録
大腿-膝窩動脈(F-P)バイパス再手術において,閉塞した大伏在静脈グラフト(SVG)の末梢側吻合部の一部が血栓閉塞せず開存していることに着目して,この静脈グラフトを再利用した再手術を行った.症例は73歳の男性で,6年前に閉塞性動脈硬化症に対しSVGを用いた右F-P(膝下)バイパス術を受けた.本年6月に右下肢痛を生じ,血管造影でSVGの閉塞を認めたため,再手術が施行された.末梢側は一部血栓閉塞していないSVGの末梢吻合側をそのまま再利用し,離断後に6mmリング付きePTFE人工血管を端々吻合した.中枢側は人工血管を総大腿動脈に端側吻合した.術後造影では吻合部狭窄はなく,再利用したSVGも開存していた.血栓閉塞していない静脈グラフトの末梢側吻合部を再利用することで,安全,容易にF-Pバイパス再手術が施行できた.
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