2005 年 34 巻 4 号 p. 272-275
症例は70歳,男性,突然の胸背部痛を自覚した.胸部造影CTにおいて偽腔閉塞型急性B型解離を認め保存的安静降圧加療を行った.第5病日,突然の呼吸困難が自覚され,胸部造影CTにおいて肺動脈血栓塞栓症を診断し,抗凝固療法を開始した.第16病日,再び胸背部痛が自覚され,胸部造影CTにおいて瘤径および残存するULP (ulcer like projection)の急速な拡大を認め切迫破裂と判断し,open stent法による緊急手術を施行した.術後経過良好で,合併症なく軽快退院となった.急性B型解離の切迫破裂に対し,本術式は従来法と比べて低侵襲で有用な方法と考えられた.