2006 年 35 巻 6 号 p. 336-339
症例は67歳,男性.不安定狭心症のため精査を施行した.冠状動脈造影(CAG)により左主幹部(LMT)に50%の狭窄,左前下行枝(LAD)#6に冠状動脈瘤を認め,瘤末梢側LAD#7,#9に有意狭窄を認めた.既往に輸血が原因と考えられるC型肝炎を認め,肝硬変(Child-Pugh分類grade A)および高度血小板減少の合併を認めた.今回,心拍動下冠動脈バイパス術(OPCAB)によってLADと対角枝に吻合し,動脈瘤は処置せず放置した.術後合併症は認めず,術後CAGで動脈瘤は閉塞しグラフト開存は良好であった.