日本心臓血管外科学会雑誌
Online ISSN : 1883-4108
Print ISSN : 0285-1474
ISSN-L : 0285-1474
肺塞栓を認めた右房発生の乳頭状弾性線維腫の1例
木村 龍範吉松 俊英
著者情報
ジャーナル フリー

2006 年 35 巻 6 号 p. 340-342

詳細
抄録
症例は78歳,男性.一過性の動悸を自覚したため近医を受診した.心エコーで右房内に可動性のある8mm大の腫瘍を指摘された.症状は一過性であったが,肺血流シンチで多発する陰影欠損を認めたため,人工心肺下に腫瘍摘出術を行った.腫瘍は乳頭状弾性線維腫と診断された.乳頭状弾性線維腫は心臓腫瘍のなかで粘液腫,脂肪腫についで3番目に多い腫瘍であり,その多くは弁からの発生である.よって,右房より発生するものはまれである.術後は問題なく経過し,1年後の現在も再発は認めていない.
著者関連情報
© 特定非営利活動法人 日本心臓血管外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top