日本心臓血管外科学会雑誌
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動脈スイッチ術後の大動脈弁閉鎖不全症に対し,Konno法を施行した1例
中村 賢森田 紀代造黄 義浩木ノ内 勝士橋本 和弘黒澤 博身
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2007 年 36 巻 2 号 p. 72-75

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抄録
動脈スイッチ手術(ASO)後の狭小大動脈弁輪を有する大動脈弁閉鎖不全症(AR)に対しては冠動脈パターン,大動脈-肺動脈関係など各症例の特徴に応じた弁輪拡大法の選択が不可欠である.ASO術後遠隔期のARに対するKonno法による弁輪拡大を用いた大動脈弁置換術(AVR)の1例を報告する.症例は4歳の女児,完全大血管転位症(TGA)II型の診断により生後10日目にASOを施行した.術後4年後に発症したIII度のARに対し主肺動脈切離後,肺動脈後壁から心室中隔へKonno切開を行い,大動脈弁輪を拡大し21mm SJM弁によりAVRを施行した.術後5年の現在良好に経過している.
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