日本栄養士会雑誌
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管理栄養士が中心となって職域において実施したメタボリックシンドローム改善のための負荷の小さな減量プログラムの効果について
由田 克士中川 芽衣子杉森 裕子三浦 克之櫻井 勝紙 貴子荒井 裕介野末 みほ富松 理恵子中川 秀昭石田 裕美
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2009 年 52 巻 9 号 p. 821-830

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抄録

職域に在籍する中年男性14 人を対象に、6 カ月間のメタボリックシンドローム改善のための行動修正による負荷の小さな減量プログラムを、立案・試行した。主な個別栄養教育は月1 回30 分を目安とし、管理栄養士が担当した。管理栄養士は事前に得られた対象者の検査値や食事記録より問題点等について詳細に把握した。対象者には自ら改めることが望ましい食習慣・生活習慣を明確化し、その中から次回までに取り組む内容を選択してもらった。管理栄養士は毎回これらを改善するために必要な知識やスキルを教育し、6 カ月間継続した。 この取り組みによる中途脱落者はなく、11 人で体重、13 人で腹囲の減少が認められた。集団の平均値でも体重1 . 7 kg、腹囲3 . 1 cm 低下した。栄養素等摂取状況では取り組み前後に差は認められなかったが、エネルギー出納やバランスのとれた食事等に関連する食習慣・生活習慣は大幅な改善が認められた。 問題点をより具体的かつ段階的に改善する緩やかな取り組みでも、減量効果を得ることが可能であった。

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© 2009 公益社団法人 日本栄養士会
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