日本栄養士会雑誌
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実践事例報告
脊髄損傷者の栄養・食事計画における安静時代謝量測定意義の検討
内山 久子角田 伸代横瀬 道絵佐久間 肇繁田 文子岡 純稲山 貴代加園 恵三
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2010 年 53 巻 10 号 p. 911-918

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抄録

リハビリテーションセンターに入院している脊髄損傷者に、適切なエネルギー管理と栄養·食事計画を実施することを目的に、安静時代謝量を測定した。24名の対象者に、身体計測、食事調査、生化学検査を行った。簡易熱量計で安静時代謝量を測定し、推定エネルギー必要量を評価した。対象者の特性は、年齢43.6±16.8歳(平均±SD)、身長168.0±8.6cm、体重60.5±15.2kg、BMI21.5±5.6kg⁄ m2であった。安静時代謝量は、1,390±478kcal⁄日、推定エネルギー必要量は1,604±564kcal⁄日であった。Harris-Benedict式から算出した提供エネルギー量は1,721±244kcal⁄日で、食事調査から算出した摂取エネルギー量は1,524±353kcal⁄日であった。提供エネルギー量と安静時代謝量から推測したエネルギー必要量には、83±713kcal⁄日の差があった。1カ月間の体重変動でエネルギーバランスを評価した。以上の結果から、より適切な栄養・食事計画を行うためには、個々人の安静時代謝量を測定する必要があることを明らかにした。

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