抄録
近年多発する震災は被災地の食環境を変化させ、被災者の生活に影響を及ぼす。今後の災害対策に役立てるため、震災前後の食生活の変化(食品の入手しやすさ、入手ルート、摂取頻度)について、仮設住宅と一般被災住宅の2 群の特徴を検討した。食品の入手しやすさの震災前後の変化では、仮設住宅は一般被災住宅に比べて、生鮮食品が入手しやすくなった世帯としにくくなった世帯に分かれ、インスタント食品などの加工食品は入手しやすくなった世帯が多かった。食品の入手ルートでは、仮設住宅で有意に減少したのは自給、個人商店であり、増加したのは支給品、もらいものであった。食品の摂取頻度では、両群とも震災直後から震災後4~5 カ月で減少し戻ったのは、ごはんと生鮮食品および菓子であった(p<0 . 001)。以上から、居住環境に合った食料供給対策が必要であると示唆された。