日本栄養士会雑誌
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幼児期からの生活習慣病予防を目的とした母子を対象とする栄養教育の試み-食事バランスガイド診断を活用して-
上田 由香理
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2013 年 56 巻 5 号 p. 355-363

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抄録

幼児を持つ母親を対象として、母子のニーズアセスメントに基づき、早期生活習慣病予防を目的とした集団栄養教育を企画・試行・評価した。食事バランスガイドを用いた8 組の母子の食事写真による解析より、料理区分別の摂取SV 数は、主食、副菜、主菜、果物において母子間に有意な相関が見られ、母子共主菜の摂取割合が高く、朝食の配分が低く夕食は高かった。栄養教育において、献立作成の実践教育、和風だしの取り方など調理の基本技法の指導が必要であることが明らかになった。栄養教育対象者(n=20)の70%(n=14)が、食事バランスガイドを用いた献立作成演習において1 食分の適量の献立を立てた。質問紙調査(回収率85%、n=17)から、半数以上が「食べ過ぎる」、1/3 の母親は子どもや自分の食事について「栄養バランスが取れているかどうか分からない」と答えた。今後、セルフモニタリングを用いて母親の継続指導をする通信講座による実践栄養教育を検討していく。

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