日本栄養士会雑誌
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日本栄養士会が東日本大震災の被災地に派遣した災害支援管理栄養士・栄養士の 「思い」 の分析
濱口 ほゆき須藤 紀子笠岡(坪山) 宜代金谷 泰宏下浦 佳之
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2015 年 58 巻 1 号 p. 35-44

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抄録

日本栄養士会は、災害支援管理栄養士・栄養士(以下、支援栄養士)を東日本大震災の被災地の3地域(気仙沼市、石巻市、岩手県)に派遣した。本研究では、支援栄養士が作成した活動報告の中の「今日の思い」の欄の自由記述をカードに書き出し、分析に用いた。地域ごとに類似したカードをグループにまとめ、カードの内容を表す見出しを付けた。3地域に共通して見られたグループ(見出し)は、①3日間の活動期間は短い、②不安・緊張・戸惑いがあった、③事前研修やブリーフィングがなかった、④日本栄養士会に関する意見、⑤衛生管理に問題がある、⑥支援物資が有効活用されていない、⑦避難所間で格差がある、等であった。また、⑧他の支援者・団体との理解、⑨傾聴・こころのケア、⑩現地栄養士への支援、⑪事務作業に工夫、⑫災害時に特徴的な栄養管理スキル、等が必要とされた。本研究結果を、日本栄養士会災害支援チーム(JDA-DAT)の育成や体制に生かしていくことが求められる。

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© 2015 公益社団法人 日本栄養士会
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