嚥下障害は低栄養の血液透析患者にとって重要な問題である。そこで、血液透析患者を対象にeating assessment tool-10（EAT-10）による嚥下機能評価を行い、低栄養との関連性を調査した。外来透析患者51人（男性39人、女性12人）を対象にEAT-10を実施し、嚥下障害リスクを評価した。また、栄養評価にはmini nutritional assessment®-shortform（MNA®-SF）を実施した。嚥下障害リスク有りと無しで2群間を比較した結果、無し群のMNA®-SF合計点は有り群より有意に高値であった（無：11.6±1.9、有：9.7±2.7、p＜0.05）。 EAT-10合計点とMNA®-SF合計点の間には有意な負の相関が認められた（r＝－0.35、p＜0.011）。低栄養状態では嚥下障害リスク有りの割合は有意に増加した（栄養状態良好：13％、低栄養のおそれ有り：33％、低栄養：67 ％、p＜0.05）。以上より、血液透析患者における低栄養と嚥下障害との関連が示唆された。
