2017 年 60 巻 12 号 p. 679-686
病院食における異物混入インシデント・アクシデント報告を縦断調査し業務改善の実際を明らかにする。静岡がんセンターの2011年4月から2016年3月までの異物混入インシデント・アクシデント報告とした。年ごとに病院食1食当たりの異物混入発生率と混入物、混入元を調査した。全てインシデント報告であった。発生率は2011年より0.006%、0.003%、0.003%、0.006%、0.004%であった。混入物は、毛の混入が最多であり報告件数は厨房内(外);7(1)、5(0)、5(2)、3(6)、7(3)であった。厨房内(外)の混入元の別は21(2)、12(0)、8(2)、9(13)、8(8)であった(p=0.0001253、Fisher's exact test; R)。経年の異物混入状況より業務改善が認められた。異物混入の縦断調査は潜在因子と再発を探索するために有用である。